楽楽風塵

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2018-03-01から1ヶ月間の記事一覧

近代国家誕生前夜の歴史についての覚書

国家の歴史について語るとき、多くは近代から話が始まり、それ以前の前近代(すなわち近世、中世)にいかにプロトタイプとしての国家が生成されていったのかということはあまり注目されてこなかった。もちろん、現在の形での「国家」が出来上がったのは紛れ…

Theda Skocpol "Bringing the State Back In: Strategies of Analysis in Current Research"

今回はシーダ・スコッチポルらが編集した『国家を取り戻す』という論文集の序論(p.3-37)を簡単にまとめておきたいと思う。読み飛ばしてしまったのであまり読解できていないが、分かった箇所だけを簡単にまとめて次に読み直したときにすぐに内容を理解でき…

カール・マンハイム「知識社会学」

今回はカール・マンハイムの「知識社会学」という論稿について。参照した文献は、青木書店から出版されていた『知識社会学ーー現代社会学体系8』のp.151-204である。割と昔の版だが、比較的訳は分かりやすかったと思う。 知識社会学 現代社会学大系8 作者: …

ユルゲン・ハーバーマス『後期資本主義における正統化の問題』

最近復刊されたユルゲン・ハーバーマス『後期資本主義における正統化の問題』について。 後期資本主義における正統化の問題 (岩波文庫) 作者: ハーバーマス,山田正行,金慧 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2018/01/17 メディア: 文庫 この商品を含むブロ…

Andreas Wimmer "The Making and Unmaking of Ethnic Boundaries: A Multilevel Process Theory"

今回はアンドレアス・ウィマー(Andreas Wimmer)の"The Making and Unmaking of Ethnic Boundaries: A Multilevel Process Theory"について。下記リンク参照(ただしダウンロードはAmerican Journal of Sociologyの規定により有料)。 https://www.journals…

知識社会学に関する覚書き

以下の本を読んだので、覚書をば。 「ボランティア」の誕生と終焉 ?〈贈与のパラドックス〉の知識社会学? 作者: 仁平典宏 出版社/メーカー: 名古屋大学出版会 発売日: 2011/03/07 メディア: 単行本 購入: 3人 クリック: 107回 この商品を含むブログ (22件) …

田村哲樹『国家・政治・市民社会』

今回は少し寄り道して、田村哲樹『国家・政治・市民社会ーークラウス・オッフェの政治理論』について。(おそらく絶版になっているので、アマゾンではかなり高騰している。名著なので、違う出版社からでもいいから復刊してほしい。) 国家・政治・市民社会―…

Rogers Brubaker "Beyond 'identity'"

今回はロジャース・ブルーベイカーの論文、"Beyond 'identity'"についてである。下記リンクでダウンロード可能。 (https://www.sscnet.ucla.edu/soc/faculty/brubaker/Publications/18_Beyond_Identity.pdf) 既刊翻訳である『グローバル化する世界と「帰属…

友枝敏雄「言説分析と社会学」

もう一つ、同じ『言説分析の可能性』の中に収められた友枝敏雄「言説分析と社会学」という論稿をまとめる。 言説分析の可能性―社会学的方法の迷宮から (シリーズ 社会学のアクチュアリティ:批判と創造) 作者: 佐藤俊樹,友枝敏雄 出版社/メーカー: 東信堂 発…

橋爪大三郎「知識社会学と言説分析」

今回は、知識社会学と言説分析の関係性についてメモしておきたい。 参照する文献は以下のもの。なかなか凝りに凝ったレトリックまみれの難渋する論稿ばかりだが(フランス現代思想を迂回した研究者にありがちである)、その中でも比較的わかりやすく、きれい…